【読書】[オススメ]越尾圭『ぼくが生きるということは、きみが死ぬということ』

越尾圭 ▼著者 カ行

ぼくが桜の木の下で「死にたい」と思ったとき、同じ桜の木の下で「生きたい」と願ったきみと意識の入れ替わりが起きた――
十和田航平は、ブラック体質な会社で仕事上の悩みを抱え、死にたいと考えるまでになっていた。
一方、順風満帆な生涯を送ってきた椿美羽は、ステージⅣの胃がんが見つかり、抗がん剤治療を受けていた。

越尾圭『ぼくが生きるということは、きみが死ぬということ』を読みました。

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あらすじ

ブラックな体質の会社で仕事上の悩みを抱えた十和田航平は、桜の木の下で「死にたい」と考えていた。
その時、同じ桜の木の下で、ステージⅣの胃がんが見つかって抗がん剤治療を受けていた椿美羽は「生きたい」と願った。
その瞬間、2人の意識の入れ替わりが発生し、航平は美羽として、美羽は航平として生きることになる。
2人はふたたび意識を入れ替えるために、翌年の満開の桜の季節まで、それぞれの体で懸命に生き続ける。

感想

意識が入れ替わるといえば、映画『君の名は。』を思い浮かべてしまいます。
この作品も、少なからず影響されているのでは。
あの作品は時間のずれが存在していましたが、こちらは同じ時間を生きています。

満開の桜の木の下で、またそれぞれが生きたい、死にたいと願えば意識が入れ替わるのではないかと仮説を立てるのですが、美羽の体はステージⅣの胃がんに冒されていて…

もっと難しいことは、「生きたい」と願うことよりも、「死にたい」と願うこと。
美羽の体を借りた航平が、辛さから「死にたい」と願うならともかく、健康な体を手にいれた美羽が「死にたい」と心から願うのは難しいことです。
私が美羽の立場であれば、再度の意識の入れ替わりを望むかどうか…
例え望んだとしても、心からというわけには行かないような気がしました。

文庫本にして335ページと、決して短くない作品ですが、面白くて一気には無理でしたが、二息くらいで読んでしまいました。

こういう作品は好きだなぁ。オススメです。

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