日本一の歌舞伎役者にして下さい。その代わり、他のもんはなんもいりませんから――
任侠に生まれて歌舞伎役者に引き取られた立花喜久雄と、歌舞伎界の名門に生まれた大垣俊介は、切磋琢磨して歌舞伎界を代表する女形へと成長する。
そんな2人を待ち受ける運命とは…
吉田修一さんの『国宝』を読みました。
あらすじ
九州の暴力団組長の息子として生まれた立花喜久雄は、生まれてすぐに母親を、中学生の時に父親を亡くし、大阪の歌舞伎役者・二代目花井半次郎のもとに預けられる。
喜久雄は半次郎の息子・大垣俊介とともに稽古を重ね、初舞台を踏むことになる。
しかし、師匠の半次郎が交通事故に遭ったときの代役として喜久雄が選ばれたことをきっかけに、俊介が家を出てしまう。
それぞれの道で芸を磨いた2人は、ふたたび同じ舞台に立つが…
感想
映画が大ヒットしているのは知っていましたが、原作を読んでみてそれも納得。
映画化したくなる気持ちもよくわかりますし、それを観に行きたくなる気持ちもよくわかりました。
壮大な物語。
歌舞伎を実際に見たことはありませんし、知識もない私ですが、読んでいる間中、場面が頭の中に映像として描かれていました。
本の帯で、浅田次郎さんが「本作を読み終えたとき、小説を読了したのではなく、芝居の序幕から大切りまでを見おえたような気分になった」と寄せられているのが、本当に良くわかりました。
長い物語ですので、さすがに一気読みとはいきませんでしたが、当初考えていた期間よりもはるかに短い期間で読み終えることができました(最後はちょっと夜ふかししながら…)。
いつもお世話になっているブロガーさんに、先に映画を観てから読むのがお勧めと言われたのですが、家族の中で1番映画を観たがっていた母が3時間座りっぱなしは辛いなぁと言いだし、私も人よりちょっと聴力が良いので、映画館のヴォリュームが苦手で(迫力を通り越して苦行になってしまうんですよね)、結局テレビで放送されるのを待とうかということに。
でも、それまで待てないよなぁということで、先に原作を購入して読むことにしました。
私がオススメするまでもありませんが、とっても良いオススメの作品です。
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