【読書】辻村深月『鍵のない夢を見る』

辻村深月 ├ 辻村深月

盗癖のある女、婚期を逃した女、恋人からのDVに悩む女、教授に気に入られてしまった女、育児に疲れた女…
どの町にでもいるような女たちが一生懸命生きていく様子を、明暗のコントラストをつけて描き出す。
辻村深月さんだからこそ書けた、作中の女に試練と愛情を注いで書き上げた短編集。

第147回直木三十五賞を受賞した1冊!

辻村深月さんの『鍵のない夢を見る』を読みました。

あらすじ

『仁志野町の泥棒』
母に誘われてバスツアーに参加したミチルは、バスガイドとして添乗してきたりっちゃんこと律子と再会する。
律子は小学3年生の時に転入してきたが、中学に上がるタイミングで別の校区に引っ越していったクラスメイトだった。

感想

第147回直木三十五賞の受賞作です。

文庫の裏表紙にある概説では、「地方の町でささやかな夢を見る女たちの暗転を描き絶賛を浴びた直木賞受賞作」と紹介されているのですが、暗転というよりも、一生懸命生きている姿が描かれているように感じました。

一生懸命生きていると、うまくいかないことがあったり、余裕がなくなったりすることがありますが、それがまた1つ人を大きくさせるのではないかなと。

どの話もいろいろと考えさせられるところがあって、そのあたりが直木賞受賞に繋がったのかなぁ?と、文学の善し悪しがいまいちわかっていない私なりに考えながら読ませていただきました。


『仁志野町の泥棒』のほか、『石蕗南地区の放火』、『美弥谷団地の逃亡者』、『芹葉大学の夢と殺人』、『君本家の誘拐』が収められています。

『石蕗南地区の放火』
町村公共相互共済地方支部で働く笙子は、放火に遭った消防団の詰め所の被害を確認しに行った。
そこで再会したのは、合コンで知り合った大林だった。

『美弥谷団地の逃亡者』
美衣は恋人の陽次からDV被害を受けていたが、離れられずにいた。
その陽次と共に夏の房総半島へ泊まりがけの旅行に行くが…

『芹葉大学の夢と殺人』
芹葉大学に通う未玖は、坂下教授のお気に入りだったが、坂下は未玖が雄大と付き合っていることを知らなかった。
雄大は大学卒業後、医大に入り直すために準備を進めていたが…

『君本家の誘拐』
ようやく授かった小さな命・咲良。
その咲良をベビーカーに乗せ、近所のショッピングセンターで買い物をしていた良枝が、目を離したわずかな隙に、ベビーカーごと咲良の姿が消えていた。

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