拓未司さんの『虹色の皿』を読みました。
あらすじ
高校3年生になって進路に悩んでいた小西比呂は、テレビに映っていた1人の男に憧れる。
それが、神戸にあるフレンチレストラン『シェ・ホンマ』のオーナーシェフを務める本間忠明だった。
比呂は高校卒業後に、世界三大料理学校の1つとも言われる、大阪の『久慈調理師専門学校』に進み、高倍率の『シェ・ホンマ』の内定を取りつけるが、そこで待っていたのは、最下層の下働き生活だった。
感想
レストランのシェフというと、華やかな職業のように感じますが、そこに至るまでには目に見えない苦労が。
しかし、その下働きの中でも、知らず知らずの間に料理の基礎が身についていっていて、決して無駄な時間ではない。
そんな世界が比呂の目を通して描かれています。
中からも、外からも『シェ・ホンマ』での時間を見た比呂。
この先、蕾が花開くかどうかはわかりませんが、人より多くの経験を積んだ分、大きな花が咲くのではないかと期待してしまいます。
もう1つ言うと、比呂は人間関係に恵まれている。
人間関係というのは、なかなか選べないこともあるのですが、磁石が引き寄せ合うように、良好な人間関係を構築する人っていますよね。
そんな人なのかなぁと感じました。
比呂が勝負に選んだ料理。
やっぱりこれしかないよね!と思って嬉しくなりましたが、まさかまさかのエピローグ。
ひとまわり大きくなった比呂の姿も見てみたいものです。
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