秋吉理香子さんの『サイレンス』を読みました。
あらすじ
新潟県の沖に浮かぶ、人口300人足らずの島・雪之島で生まれた深雪は、高校卒業後に上京し、大学に通いながらタレントスクールでレッスンを受けていたが夢破れ、宮原かおりのマネージャーに落ち着いた。
付き合っていた広告代理店勤務の俊亜貴と一緒に3年ぶりに実家に帰省するが、田舎のしきたりに音を上げた上、借金、浮気がバレた俊亜貴は島を脱出してしまう。
感想
借金の存在が明らかになり、浮気していることがわかってもなお、俊亜貴を追いかけようとする深雪。
恋をすると周りが見えなくなるっていうのは、こういうことを言うんだろうなと思いながら読んでいましたが、私自身も、身に覚えの1つや2つ…
決定的にダメな状況に陥ったときに目を覚ましてくれるのは、親兄弟ではなく、友人なのかも知れません。
島に残った深雪の同級生たちは、必死で島おこしを試み、それなりの成果を上げているようですが、せいぜい観光客を増やすところまで。
人口の減少を食い止めるのはなかなかハードルが高いようです。
残念ながら、これも現実なのかなぁと…
なかなか明るい話題が見えない作品でしたが、諦めずにトライし続ける若者たちが、島の財産なのかなと思いました。
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