スティーヴン・キングの『ビリー・サマーズ』を読みました。
あらすじ
凄腕の殺し屋ビリー・サマーズは、生涯最後の仕事として、ジョエル・アレン殺害の仕事を受ける。
アレンは拘置施設に収監されていて、狙撃のチャンスは裁判所に移送されてくるタイミングしかない。
報酬は破格の200万ドル。このうち、50万ドルを前金として受け取る。
殺害後の逃走方法も用意されるが、不安を感じたビリーは、プランBを用意する。
感想
相変わらずのヴォリューム。
長くない作品も書いているようなのですが、私が読みたいと思う作品は、いつもといっても良いくらいヴォリュームのある作品。
序盤は、いつものように、少し退屈さを感じますが、舞台設定が整ってくると、徐々に物語の中に引き込まれます。
本の帯に書かれている『すべてのページが面白い』というのは、さすがに誇張していると思いますが、繋ぎ区間がほとんどない、面白い場面の連続になっていると思います。
いつ裁判所にアレンが移送されてくるかわからないため、ビリーは小説家として街に住みつきます。
そして、本当に自叙伝的小説を書き始めるのですが、ビリーの過去については、この作中作が語ってくれることになります。
アレンの殺害に成功し、落とし物を拾ったところで上巻が終了。
下巻は、この落とし物によって、ガラッと変わった雰囲気になっています。
所々、新型コロナウイルスによるロックダウンの話があったので、そこまで続くのかな?と思っていたのですが、その前に物語が終わってしまい、ちょっと拍子抜け。
ただ、コロナ禍を意識して書かれた作品が、今冬に登場する予定ということで、そちらを楽しみにしておきます。
最後は騙されたー
どちらも格好良いんだけど、やっぱり先に提示された結末の方が夢があって良かったかなぁ。
でも、そこをあえて選ばないところがスティーヴン・キングなんだろうなぁ。
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