小路幸也さんの『イエロー・サブマリン』を読みました。
あらすじ
『夏 絵も言われぬ縁結び』
我南人の幼馴染みで建設会社の2代目・新一郎が、解体を請け負った家が幽霊屋敷だったと飛び込んできた。
床には血にまみれた本が置いてあり、変な音が聞こえたという。
さっそく、我南人や神主の祐円らとともに確認に行き、ついでにお祓いも行った。
一方、S大学文学部に通う根岸裕子が、間中号と北島坂仁一をテーマに卒業論文を書きたいため、2人の著作がないかと古本屋〈東京バンドワゴン〉を訪ねてきた。
感想
「東京バンドワゴンシリーズ」の第15弾です。
先は長いなぁと思いながら読んでいたシリーズですが、そろそろ最新刊の背中が見えてきました。
〈東京バンドワゴン〉店主である堀田勘一から見て曾孫のかんなちゃん、鈴花ちゃんも7歳になり、ずいぶん親の手を離れた様子。
代わりに、勘一の孫の花陽や研人の出番が増えてきたでしょうか。
これまでも、秘蔵している書物の多さや価値に度々触れられてきた〈東京バンドワゴン〉ですが、今回もその懐の深さに驚き。
古書にはあまり興味がないのですが、きっとこんな古本屋を自由に見て回ることができたら、1日では足りないんだろうなぁと思ってしまいます。
この他、『秋 元のあなたの空遠く』、『冬 線が一本あったとさ』、『春 イエロー・サブマリン』が収められています。
『秋 元のあなたの空遠く』
新しく出した小説が1週間で重版がかかった紺。しかし、その紺のもとに盗作だという手紙が舞い込む。
一方、ライブ帰りの研人は、花陽の彼氏・麟太郎が、涙を流している女性と一緒にいるところを目撃してしまう。
『冬 線が一本あったとさ』
正月明け、見慣れない制服の中学生が〈東京バンドワゴン〉へやってきた。
少女は、本の内容ではなく見返しを見て買うかどうかを決めている様子だが、勘一たちには何を目印にしているのかわからない。
『春 イエロー・サブマリン』
研人と芽莉衣の卒業式、そして芽莉衣の大学入試の合格発表を直前に控えたある日、藤島ハウスを見る怪しい男の姿が。
芽莉衣の合否は?そして、怪しい男の正体とは?
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