【読書】濱嘉之『ヒトイチ 画像解析 警視庁人事一課監察係』

濱嘉之 ヒトイチ警視庁人事一課シリーズ ├ 濱嘉之

濱嘉之さんの『ヒトイチ 画像解析 警視庁人事一課監察係』を読みました。

あらすじ 

警視庁管内で、警察官が拳銃自殺を図った。
亡くなったのは、強姦殺人事件を担当していた梨田賢一郎。犯人を追いつめた矢先の出来事だった。
警視庁人事一課監察係の榎本博史は、事件の真相解明に乗り出す。

感想

「警視庁人事一課監察係シリーズ」の2作目です。
今回榎本が対応するのは、警察官の拳銃自殺、警察官による痴漢、女性警察官へのマタハラの、大きく分けて3つの事件。

監察というと、悪事を働いた警察官の処分を決めるところというイメージでしたが、このシリーズを読むと、かなり広範囲の捜査をしていることがわかります。
人1人の処分を決めるんだから、民間人相手なみの捜査をしてしかるべきなのかと、納得はするのですが、驚きでした。

各事案の捜査をするにあたり、公安が絡んでくるあたりが、濱嘉之さんらしいなぁと思ったり。
公安関係に長く勤められた濱嘉之さんですから、濱嘉之さんから見たヒトイチが扱う事案と言えば、自分がいた公安が絡んだ事案だったのかも知れません。

ただ、気になる記述がひとつ。
「警察職務において女性にできて男性にできない部分はありませんが、男性にできて女性にできない部門はたくさんあるのです」
という1文。
性犯罪被害者への対応など、女性警察官の積極的な運用が進んでいるはず。
確かに、男性にはできないとは言えないかも知れませんが、それを言えば、女性警察官にも様々な特技を持った方がおられるので、男性しかできないことというのも無いのではないかな?と思いました。

マタハラやセクハラの問題を取り上げておきながら、濱嘉之さん自身が女性警察官を認めていないのかな?と、残念な気持ちが。
そういう目で見ると、マタハラやセクハラを行った男性警察官を擁護しているようにも見えてきてしまって、ちょっと興醒めしてしまいました。

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