島本理生さんの『Red』を読みました。
あらすじ
夫と2歳の娘、義母と家を空けていることが多い義父と暮らしている村主塔子は、友人の結婚式で、20歳の頃不倫をしていた会社役員・鞍田秋彦と再会する。
その鞍田から、現在面倒を見ている会社で契約社員として働かないかと誘いを受ける。
仕事を始めることに賛成してくれた夫だったが、仕事と育児の合間で、1つまた1つと夫への不満がつのりだす。
感想
なんと書けば良いのかなぁ。
少なくとも、私好みの作品ではなかったかな。
島本理生さんの作品は、『よだかの片想い』、『ファーストラヴ』に続いて3冊目ですが、どれも違ったタイプの作品。
ただ、今回の作品は、夫への不満を、他の男性からの愛情で埋めていくという話で…
結婚してから見えてきたことだとか、結婚相手が1番好きな人じゃないってことは、よくあるというか、ほとんどの人がそうだと思うんですよね。
初恋の人だとか、片想いの人っていうのは、相手の良い部分しか見えていないので、結婚相手よりもよく見えてしまうことはあると思うんです。
でも、だからといって、不倫が許されるかという話は、まったく別だと思うんです。
結局は周りの人間関係を壊すことになって、それは結婚相手だけではなく、子供や親、友人にまで波及してしまう。
そうやって考えれば、やっぱり不倫はないなぁって。
結婚してから見えてくる相手の欠点とかも、自分の見る目がなかったと言うこともできるし…
同情はするけどね。
そりゃあ、人生をもう1度やり直すことができるなら、あの時、あの人に想いを告げて…くらいのことを考えることはありますが、現実には…ね。
それに、そういった考えって、相手の気持ちは無視しているわけだし…
最後がうまくまとめ上げられているだけに、どちらが正しかったかとは言いにくいのですが、やっぱりどこかで道を誤ってしまった(それがどこだったのか)と言わざるを得ないのかなぁ。
はじめに自分の好みではなかったと言いましたが、自分の価値観と大きく異なる内容だからこそ、いろいろと考えさせられたというのは、事実だと思います。
自分の価値観に沿った内容よりも、より強烈にイメージが残るんじゃないかなぁと。
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