濱嘉之さんの『警視庁公安部・青山望 爆裂通貨』を読みました。
あらすじ
ハロウィンの仮装をした人々で賑わう渋谷のスクランブル交差点を、スーパーマリオの仮装をした集団が4列になって行進した。
マリオに扮した集団が、文化村通りと道玄坂方面へ消えたあと、12ヶ所のATMが襲われ、あとには4人のマリオに扮した男の銃殺体が残されていた。
さらに、ハワイでも同様の事件が発生する。
感想
「警視庁公安部・青山望シリーズ」の11作目です。
このシリーズ、焦点がわかりづらい作品も多いのですが、今回は明確。
ハロウィンのATM襲撃事件にはじまり、クレジットカードに関する詐欺事件や、国際的な金融機関を狙った事件まで。
まさに「爆裂通貨」となっています。
物語の中では、マイナンバーカードの話も。
次々と起こる問題の火消しに政府が躍起になっていますが、マイナンバーカードの本当の狙いといったものがわかりやすく解説されているように感じました。
もっとも、そこからいろいろと派生して、たとえば病院に置くマイナンバーカードの読み取り装置や、それに対応するパソコンのソフトなど、種々の利権も重なり合って、問題が積み重なっているような気がしますが…
全体的にわかりやすい話だったと思うのですが、ATM襲撃の際に、なぜ4名の仲間を殺害したのかがよくわかりませんでした。
手がかりを残しこそすれ、殺害することによる利益はほとんどなかった気がするのですが…
さて、この「警視庁公安部・青山望シリーズ」も、残すところあと1冊になりました。
最後はどんなフィナーレが用意されているのか、今から興味が尽きません。
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