島本理生さんの『よだかの片想い』を読みました。
あらすじ
前田アイコの左目の下から頬にかけては、生まれつきのアザがある。
常に他人の目を気にしながら生活してきたこれまでの人生。
そんなアイコに、顔にアザや怪我がある人に対するインタビューの話が持ちかけられる。承諾したアイコには、本の表紙になって欲しいというお願いまで…
さらに、その本を原作にした映画の制作が決まる。監督は飛坂逢太。
研究一筋で大学院博士前期課程まで進んだアイコは、飛坂に初恋の想いを抱く。
感想
いつも拝見しているブロガーさんが紹介されているのを読んで、興味を持ったので手にしてみました。
まぁ、私の場合、単なる興味以上のものがあったのですが…
子供の頃から20年ほどの時間が経って、進歩したレーザー治療の説明を聞きにいったアイコが、「治療を終えたあとに、新しく出会う人たちを、私はどんな目で見ればいいのだろう。もしまだアザがあったら、自分に近づいてきただろうか、親しくしてくれただろうか」と考える部分に、この作品のエッセンスが凝縮されているような気がしました。
私も、というか、誰もが大なり小なりコンプレックスを持って生活していると思います。
生涯の友というのは、やっぱり、そんなコンプレックスを受け入れてくれた人なのかなぁと、思えてきます。
あらすじを読んで、並々ならぬ関心を持って手にしたこの作品ですが、島本理生さんは、普段どんな作品を書かれる方なのかな?
名前だけではありますが、ちょこちょこ目にする方なので、別の作品も手に取ってみたいなと思います。
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