小路幸也さんの『花咲小路三丁目のナイト』を読みました。
あらすじ
大学を卒業し、2年間一般企業で働いた堂本望は、叔父が経営する花咲小路商店街の喫茶店でアルバイトをすることになった。
叔父の円藤仁太が経営する〈喫茶ナイト〉は、深夜営業の店で、映画のVHSやDVDのレンタルも行っているが、仁太のもとには近所の人から相談が持ちかけられる。
今回相談を持ちかけたのは、8歳年上で子持ちの元ホステスの女性に恋してしまった大学生だった。
感想
「花咲小路シリーズ」の4作目です。
ちょっと特殊な才能を持つ人物が描かれるこのシリーズですが、今回の主役・円藤仁太は、悩み事をまぁるく治めるのが得意な様子。
でも、それだけではない何かを隠しているようにも見えます。
仁太のところに持ち込まれた相談の結末は描かれず、仁太の言葉や、仁太が取った行動から読み解かなければいけないのですが、仁太が導くのではなく、本人たちがその方向へ向かうのを手助けしているといった感じ。
最後に少し大きな動きがありましたが、これもまた、すべてがまぁるく治まった様子。
「東京バンドワゴンシリーズ」に出てくる堀田家の家訓には、「本は収まるところに収まる」なんてものがありましたが、まさにそんな感じではないでしょうか。
個人的には、「東京バンドワゴンシリーズ」よりも、このシリーズの方が好きかな。
確か、あと3冊くらい出ていたと思うので、じっくり楽しみたいと思います。
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