【読書】赤川次郎『教室の正義』

赤川次郎 ├ 赤川次郎

赤川次郎さんの『教室の正義』を読みました。

あらすじ 

中学校の全生徒に配られた教材『心のノート』。
その中には、「この学級には正義はあるか!」と書かれていた。
『心のノート』が使用されているかどうかを視察に来た教育委員会の先生に対し、植田辰夫は、番長的な存在である南田康久が、テストでカンニングをしていたことを告発する。
植田の勇気に触発された生徒らによって、「道徳委員」が設置され、委員長には植田が就くが…

感想

久々の赤川次郎さんです。
5編が収められた短編集ですが、どの作品も深くて良い話。

この『教室の正義』は、正義をとことん貫くことが、はたして正義なのか?という話。
いきすぎた正義は、時として人を傷つけることがある。
人は誰しも過ちを犯すことがあるのだから、それにどう対応するかというところが重要。
そんな話を、中学生の目線から語っているように感じました。


表題作のほか、『終夜運転』、『紙の砦』、『大人の時間』、『免罪符』が収められています。

『終夜運転』
元総理大臣の大倉哲太郎は、パーティーで飲み過ぎて、気がついたらロビーのソファに1人忘れ去られていた。
ホテルから外へ出ると、16歳のモンペ姿の少女が運転する路面電車が走っていた。

『紙の砦』
新聞記者の大沢友彦の家に、須川しのぶがやってきた。
しのぶの父・英治は、公安が乗り出した爆破事件について内部告発をおこない、口を封じられていた。

『大人の時間』
高校生の有田岐子は、『こどもの権利と主張国際会議』に、日本代表として出席することになった。
しかし、反抗的な生徒だとみられていた岐子は…

『免罪符』
作家の天野啓介の仕事場の留守電に、天野のおかげで自分が正しいと信じて行動できる。これから人を殺してきますというメッセージが残された。
実際に三橋信治が殺人を犯し、天野の作品を読んで、復讐は許されると教えられたと証言した。

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