濱嘉之さんの『警視庁公安部・青山望 政界汚染』を読みました。
あらすじ
病院経営者の中村弘一は、東京都医師会会長の要望により、日本公正党の候補者として、参議院選挙の比例区に出馬するが、惜しくも次点で落選。
しかし、同じく日本公正党から比例区に出馬して当選した木下武が交通事故で死亡し、繰り上げ当選を果たす。
さらに、総括責任者を務めた市議会議員の古沢幸次郎も交通事故死した上、選挙の会計責任者であり、中村の病院の事務長でもある金指信が行方不明になる。
感想
前作『警視庁公安部・青山望 完全黙秘』に続く、「警視庁公安部・青山望シリーズ」2作目です。
前作では、読み出した瞬間に、どのような事件が対象になるのかがわかりましたが、この作品では、それほど大きくない事件がいくつか出てきて、どれが中心になるのだろう?と思いながら読んでいました。
それらの事件が1つに繋がって、一気に解決に向けて動き出す様は圧巻でした。
同期の4人がそれぞれの持ち味を発揮しながら事件を解決に導いていく。
この連携の様子は、警察内部にいた濱嘉之さんだからこそ書けるのではないかと思います。
公安という、一番堅そうな部署にいる青山の、人間的な側面も見られたのが、砂漠の中にあるオアシスのように感じられました。
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