赤川次郎さんの『死と乙女』を読みました。
あらすじ
高校生の梓梨江は帰りの電車の中で見た男性が、死のうとしていることを感じ取った。
その男性は、1年生の時に同じクラスだった神田なつ子の父親だった。
なつ子の父の会社が倒産し、なつ子は学校を辞めることになっていた。
梨江はなつ子の父が死のうとしていると感じたことを言うかどうか悩むが…
感想
だいたい上に書いたところまでが1章。
2章以降はページを上下に分け、なつ子の父が死のうとしていることを言った場合と言わなかった場合の物語が書かれています。
私が知る範囲では、同じようなことを、ジェフリー・アーチャーも『運命のコイン』でやっていましたが、『死と乙女』は同じ章タイトルで並行して進んでいくので、書くのは難しいでしょうか…
ただ、上下2つの物語が近いところで展開するので、どちらで起きた出来事か混同してしまうことがありました(大きな流れは掴んでいるんだけど…)。
また、人の死が絡んでいるわりには、上下の物語に大きな違いがないなぁというのが、不満点。
1つのボタンの掛け違いで、これほど大きな違いになったという展開を期待していたのですが。
ただし、上下で大きな違いを生まなかったことが、最後に驚きの展開に繋がっているところが秀逸。
思わず驚嘆の声をあげてしまいました。
機会があれば是非。
コメント