ジェフリー・アーチャーの『悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班』を読みました。
あらすじ
ロンドン警視庁の警部補に昇進したウィリアム・ウォーウィックは、新たに設けられた内務監察特捜班に配属される。
容姿、逮捕歴ともに優秀な所轄の刑事・サマーズを標的にしたウォーウィックは部下の刑事たちを使ってサマーズの尻尾を掴もうとするが、1人の女性捜査官がサマーズの毒牙にかかってしまう。
また、サマーズの捜査と並行して、麻薬王・アッセム・ラシディの裁判が開かれる。
「ウィリアム・ウォーウィック・シリーズ」の3作目となります。
物語の前半で中心となってくるアッセム・ラシディの裁判は、前作『まだ見ぬ敵はそこにいる ―ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班―』で逮捕したラシディの裁判ですので、前作を先に読んでおく必要があります。
今回は、サマーズの裁判の様子も出てきますので、全体の半分くらいが法廷での様子に割かれています。
中山七里さんの「御子柴礼司シリーズ」でも裁判の様子が出てきますが、私にとっては、ジェフリー・アーチャーの方が上かなぁという評価。
ただ、誇りと復讐で見せたような圧巻の逆転劇が見られないのが、最近の不満だったりします。
「ウィリアム・ウォーウィック・シリーズ」と「御子柴礼司」シリーズでは、同じ裁判でも日本とイギリスという違いがあるので、作者以上にそれぞれの空気感の差が感じられます。
日本に比べて、イギリスの方が堅っ苦しいイメージでしょうか。
本作品は1989年のロンドンが舞台ですので、年代の違いもあるのでしょうが…
本作品の終盤には、十分すぎる前振りがありますので、次回作が今から楽しみでしかたありません。
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