樹島千草さんの『耳をすませば』を読みました。
中学3年生の時、本の貸し出しカードがきっかけで知り合った二人、月島雫と天沢聖司は、夢を追い求めてそれぞれの道を歩き出した。
10年後、児童文学作家を目指す雫は、児童書の編集部で働きながら、新人賞に応募する生活を続けていた。
一方、チェリストになることを夢見てイタリアへ渡った聖司は、なんとかプロとして生活できるようになっていた。
うぉー! 鳥肌が立ちました。
泣きそうになりました。
泣きそうになっただけ?
私の大好きなスタジオジブリの映画『耳をすませば』の実写版のノベライズです。
ジブリの『耳をすませば』は、まさに私が進路を考える時期に公開された映画なので、何度も見直して、台詞もすべて頭に入っているくらい。
今回の実写版は、その10年後を描いた作品になっていますが、適宜中学3年生の雫と聖司が出てきてくれますので、元の作品を見ていなくても大丈夫。
むしろ、最後のシーンを楽しむのであれば、ジブリの『耳をすませば』を見る前の方が良いかも?
でも、あの名シーンが頭にあったから感動したのかなぁと思ったり。難しいところです。
ジブリの『耳をすませば』から、いくつか変更点がありますが、1番大きいのは、聖司が目指すのがバイオリン制作者からチェロ奏者に変わっている点でしょうか。
あと、2人の思い出の歌が『カントリーロード』から『翼をください』に替わったことも。
途中、雫に感情移入しすぎてしまい、読むのが辛くなったときもありましたが、最後には雫らしさを見せてくれて、良かったです。
児童文学作家を目指しながら、児童書の編集者という仕事を持つという、2足のわらじ。
「人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ。誰も助けてくれないからな」という、ジブリ版『耳をすませば』のお父さんの声が聞こえてきそうです。
私自身も、少々人と違った生き方をしている人間なので、雫により感情移入してしまったのでしょうか。
しばらく、この余韻に浸っていたいなぁ。
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