赤川次郎さんの『我が愛しのファウスト』を読みました。
小野利夫が目を覚ますと、見知らぬ女とベッドの中にいた。
女がシャワーを浴びている間に現れた男は、契約により水上晶夫というビジネスエリートで独身のプレイボーイの男に生まれ変わらせたと言う。
水上はその”男”が用意したプレゼンテーションで大きなプロジェクトを受注する。
さらに、受注先の社長令嬢で、高校生の白倉あかねと深い関係に…
カテゴリー的にはホラーに分類される作品だと思いますが、ホラーが苦手な私でも大丈夫でした。
どこへ向かっているのかがわからないまま、話が進んでいきます。
いや、おそらくは、”男”が言った”契約”とは何なのか、なぜ小野は”契約”を結んだのかというところが最後に用意されているんだろうなぁと思いながら読み進めるのですが、何がどう収束していくのかがわからないまま、話が進んでいくといった感じです。
各キャラクターがしっかりと描かれていて、時が経つにつれて変化していったり、本質が変わらなかったりと、キャラクター1人1人を見ていても面白いと思います。
“男”が何をしようとしていたかは、想像するしかありませんが、赤川次郎さんにしてはずっしりとした読書をしたいときにオススメといった感じでしょうか。
―――9/13『セピア色の回想録 杉原爽香49歳の春』発売―――
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