赤川次郎さんの『眠れない町』を読みました。
あらすじ
フリーのライター・矢吹徹治は、徹夜明けで仕事に向かう途中、同じ団地に住む城山と一緒になった。
バスが来るのを見てバス停まで走り、満員のバスに揺られて、駅に着いた2人だったが、駅の階段で城山が発作を起こし、亡くなってしまった。
矢吹が城山の葬儀に出席すると、城山の妻から、何日も眠れずに苦しんでいた夫をバス停まで走らせたとなじられてしまった。
矢吹の仕事仲間・川崎エミも、不眠を訴えたあと団地の屋上から投身自殺をしてしまう。
さらに、矢吹の妻・そのみのパート仲間・中原京子は交通事故に見せかけて殺された可能性が浮上してくるし、矢吹自身も突然連絡してきた旧友に薬を飲まされ、危うく連れ去られるところだった。
感想
『眠れない町』というタイトルが、そのままズバリの作品でした。
ただ、この話であれば、城山が亡くなった朝、スッキリとした顔をしていたというくだりはちょっと矛盾しているような…
表情はスッキリしていても、充血した目は隠せなかったのではないかと思います。
そこを隠すことに、何の意味もなかったと思えてしかたないのですが…
身のまわりで不審な事件が続くけど、何が起きているのかわからない、パニックものに分類されるのかと思いますが、この作品からはいまいち恐怖が感じられず。
「何が起きているんだろうなぁ」くらいの雰囲気で読めてしまうので、最後に真相が明らかになっても、いまいち感動だとか、感嘆するということがなく、ちょっと物足りない感じを受けました。
結構深いところまで切り込んでいるだけに、それまでの展開がちょっと残念でした。
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