【読書】赤川次郎『いもうと』

赤川次郎 ふたりシリーズ ├ 赤川次郎

赤川次郎さんの『いもうと』を読みました。

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あらすじ

高校2年生の北尾実加は、冷たい雨の中、母・治子が入院する病院に呼び出された。治子が病院を抜け出してしまったというのだ。
病院の周りを探しに出た実加は、公園のベンチの上で凍えている治子を発見するが、心臓が弱っていた治子は帰らぬ人になってしまう。
治子が病院を抜け出す直前、札幌に単身赴任している夫・雄一から、「浮気相手の内田祐子との間に子供ができた」と電話で告げられていた。
これに猛反発した実加は、父に頼って生きていくことを辞め、高校卒業後に就職することを決める。

10年後、会社で働く実加に、祐子から電話が入る。雄一が入院していて、容態が良くないとの知らせだった。
雄一の病室を訪ねた実加は、祐子と正式に籍を入れたいとの雄一の想いを聞かされる。
一方、海外を含めた提携会社数十社との連絡会議を実加が勤める会社が主宰することになり、そのプロジェクトチームのリーダーを実加が任される。

感想

『ふたり』の続編です。

面白い作品でした。
もっと時間をかけて読むつもりだったのですが、一気に読んでしまいました。

しかし、この作品は「ただ面白い」だけではダメという運命を背負った作品でもあるんですよね。

赤川次郎さんの代表作の1つに数えられる『ふたり』の続編という位置づけの作品です。
『ふたり』に続編が必要だったのか、また、その続編がこのストーリーで良かったのかと考えると、意見が分かれてしまうのではないでしょうか。

『ふたり』で成長した実加の10年後を描いた作品になっていますが、私には実加が杉原爽香の姿に重なって見えてしまいました。
プライベートでは他人の不幸や問題を一身に背負い込んでしまい、仕事では大きなプロジェクトを半ば押しつけられるかのように任されてしまう…
杉原爽香は2人いらないと思ってしまうところですが、杉原爽香と違うのは、トコトンまで追い詰められないところでしょうか。そこで棲み分けができています。

また、今でこそ強い味方をつけたものの、一時期までの杉原爽香が「孤立無援」だったイメージが強いのに対し、実加は自分の力で道を切り拓きながらも、周囲からの助けを得られているように思います。
そこが、『ふたり』ならではとも言えるのですが。

杉原爽香の姿と重なって見えてしまうのであれば、『ふたり』の続編である必要はないのではないかと考えながら、途中まで読み進めていたのですが、杉原爽香に似てはいるけど、それとは違う『ふたり』らしさを感じられるようになりました。

『ふたり』の流れを汲みつつも、まったく新しいと言っても良い世界に実加を置いた、というのが、この『いもうと』という作品と言えるでしょうか。
それによって、『ふたり』の世界観は壊されていませんし、でも、『ふたり』の延長線上にあるし、という、絶妙な位置にあるのではないかと思います。

タイトルの『いもうと』ですが、『ふたり』の千津子、実加姉妹の「いもうと」という意味があるのはもちろんですが、他にも意味を持たせてある、ちょっと「深い」タイトルになっています。

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