読了

├ 歌田年

【読書】歌田年『紙鑑定士の事件ファイル 偽りの刃の断罪』

コスプレを趣味にする男性・張本善浩が自宅で殺害された。窓ガラスをハンディ・バーナーで焼き切られ、自宅の一部も焼かれていた。警察は、かつて三角関係にあった春美真久を容疑者として取り調べるが、神奈川県警の石橋和男刑事は、かつてから面識のある春美の犯行には思えないという。
├ 水原秀策

【読書】水原秀策『裁くのは僕たちだ』

高尾慎一は、衆議院のマドンナ・藤沢杏子が夫を殺害したとされる裁判の裁判員になった。高尾が公園のベンチに座っていると、となりに若い女性が座り、突然、無罪と主張するために金銭を寄こせと要求するのは卑劣だと糾弾された。注目の高い裁判だけに、裁判員を買収しようとする動きが実際にあるらしい。高尾は自分の信念に基づいて、真偽を見極めようとするが…
├ 新川帆立

【読書】新川帆立『倒産続きの彼女』

弁護士の美馬玉子が勤める弁護士事務所は、倒産の危機にあるアパレルメーカーのゴーラムの対応を行っていた。そこに、経理部の近藤まりあが勤める会社がこれまで3社すべて倒産しているとの通報が寄せられた。玉子は、先輩弁護士の剣持麗子と共に、怪文書への対策にあたる。
▼著者 ア行

【読書】小川哲『君のクイズ』

生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』。7点先取の決勝戦は6対6で最終問題にもつれ込んだ。三島玲央が対する本庄絆は、問題が読まれる前に早押しボタンを押し、正解を導き出した。これはやらせなのか?三島は本庄との対決を振り返る。
├ 赤川次郎

【読書】赤川次郎『暗殺』

入試の日の朝、工藤麻紀は大学の最寄り駅で、竹内貞夫が射殺されるのを目撃するが、試験開始に間に合わないと思い、その場を立ち去る。その後、麻紀が見たのと別人が犯人として逮捕されるが、きっかけを失った麻紀は、警察に目撃証言を行えずにいた。一方、温泉旅館で仲居として勤める佐伯芳子のもとには、10年前に別れた竹内から、少女の服が届けられていた。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『オメガ 対中工作』

警察庁諜報課の榊冴子は、ヘリコプターや戦車から銃まで、中国がロシア製をコピーして製造した武器が、パキスタンを経由してアフリカへ流れていることに着目した。一方、岡林が立ち上げた中国での真珠養殖事業が軌道に乗り始め、利益を生み始めていた。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『花咲小路二丁目の寫眞館』

フォトグラファーの桂樹里は、学校を出てすぐに〈久坂寫眞館〉に就職した。現社長の久坂重も写真を撮ることはできるのだが、人物写真を撮ると、見えないものが写ってしまうのだという。そんな重が試しに動画を撮ってみると、樹里ともども過去へタイムスリップしてしまった。このタイムスリップには、どんな意味が隠されているのだろうか?
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『鍵のかかった部屋』

高校生の高澤大樹が練炭自殺を図った。偶然高澤家を訪れていた叔父の会田愛一郎は、サムターン回しを得意とする空き巣狙いだったが、5年間の懲役を経て出所してきたばかりだった。大樹の部屋にかけられたサムターン錠を愛一郎が特技で解錠し、部屋の中へ入ったが、ドアや窓にはテープで目張りがされており、完全な密室状態だった。会田は旧知の仲である防犯コンサルタントの榎木径に紹介され、弁護士の青砥純子に相談を持ちかける。
├ 秋吉理香子

【読書】秋吉理香子『自殺予定日』

母を亡くし、父を亡くした女子高生の渡辺瑠璃は、父を殺した継母のれい子を告発するために、自殺の名所になっている山奥で首を吊ろうとするが、枝が折れて失敗してしまう。そこに現れたのが、幽霊の裕章。裕章は、期限をつけてれい子の殺害の証拠を見つけようと提案する。こうして、瑠璃の自殺予定日が、6日後に設定された。
├ 湊かなえ

【読書】湊かなえ『告白』

「愛美は事故で死んだのではなく、このクラスの生徒に殺されたからです」終業式の日のホームルームで、担任の森口悠子が生徒たちの前で衝撃の告白を行った。森口の4歳の愛娘・愛美は、1ヶ月前に学校のプールに浮いているのを発見された。視点を、被害者の母親、クラスメイト、加害者の家族、加害者と入れ替えながら、事件の細部を明らかにしていく。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』

下町の古書店〈東京バンドワゴン〉に、脚本家の岸田安見がやってきた。偶然にも、安見は近所に住む増谷裕太の、高校の同級生だった。その安見が、フェアとして並べていた川田鉄の作品をすべて欲しいと言う。一方、小学生の名塚のぞみが、本を売りたいとやってくる。勘一は、本は買い取らずに、親への手紙と百円をのぞみに渡す。我南人がのぞみのあとをつけると、コンビニでお菓子を買ったあと、寒い公園で1人本を読んでいたという。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 ノースブリザード』

平壌放送の暗号放送が、頻繁に乱数表を変えていることをキャッチした。日本国内に新たな指揮系統ができていることを予測した警視庁情報局の黒田らは、捜査を開始する。さらに、日本企業に対する中国や北朝鮮からのサイバー攻撃も活発になり、新たな防衛体制が必要となる。
▼著者 ア行

【読書】乾緑郎『完全なる首長竜の日』

漫画化の和淳美は、15年続いた連載が、新編集長の方針の下、打ち切りとなってしまう。その淳美には、自殺未遂を図って植物状態になった弟の浩市がいたが、植物状態になった患者とコミュニケーションがとれる〈SCインターフェース〉を介してセンシングを続けていた。しかし、浩市はいつも自殺という方法を用いて一方的にセンシングを終了してしまう。
▼著者 サ行

【読書】塩田武士『罪の声』

大日新聞文化部の阿久津英士は、年末企画『ギン萬事件――31年目の真実――』の担当として、社会部に借り出される。ギン萬事件は、かつて日本を震撼させた食品会社脅迫事件だが、迷宮入りのまま時効を迎えていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、自宅で古いカセットテープを見つける。テープに吹き込まれていたのは俊也の子供の時の声で、ギン萬事件で犯人が使用した音声だった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『スタンダップダブル! 甲子園ステージ』

北北海道代表として甲子園に出場した神別高校のナインの多くは、今は閉園となってしまった児童養護施設・そよ風学園で野球を学んだ。地区大会から快進撃を続ける神別高校に、暴力団が関係する黒い影が…双子の兄弟、青山健一、康一の父である、元暴力団組員で前科を持つ山路蓮と、新聞記者の前橋絵里は、ライターの潮崎からの揺さぶりに対抗するため、ルポライターの西島馨の力を借りて策を練る。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『オメガ 警察庁諜報課』

警察内部ですら、その実体をほとんど知られていない組織、警察庁長官官房諜報課。この北京支局に勤める榊冴子は、人民解放軍の配下にある麻薬精製工場の破壊を命じられる。同僚の土田は、同時に麻薬の搬入もとである北朝鮮の施設の破壊を試みるが…
├ 知念実希人

【読書】知念実希人『優しい死神の飼い方』

人間の死後の魂をあの世へ送る手助けをしている死神のレオは、未練を持って死に、地縛霊となって地上に残る魂が多いことを理由に左遷され、犬の体を借りてホスピスで人間の未練を解消する役割を与えられた。戦時中の悲恋や、洋館で起きた殺人事件など、ホスピスで過ごす人間たちの未練を消すため、レオが奮闘する。
├ 早坂吝

【読書】早坂吝『しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人』

しおかぜ市で、両親と娘の一家3人が殺害され、現金5000万円が盗まれる事件が発生した。一方、名探偵の死宮遊歩は、迷路の中の1室で目を覚ました。迷路の中に閉じ込められたのは7人。この中に6件の未解決事件の犯人が含まれており、犯人の部屋の金庫には、それぞれの事件で使用された凶器が収納されているという。残りの6人を殺害し、最後に残った1人のみが迷路から脱出できるというが…
└ 中山七里

【読書】中山七里『護られなかった者たちへ』

居住者がいなくなったアパートの一室で、福祉保険事務所に勤める三雲忠勝の死体が見つかった。三雲は両手両足を拘束された上で口を塞がれ、餓死させられていた。さらに、農機具小屋の中で、県議会議員の城之内猛留が同様の手口で殺害されているのが見つかる。三雲も城之内も、善人で、人格者であるという評判が高かった。
├ 小路幸也

【読書】小路幸也『フロム・ミー・トゥ・ユー』

堀田藍子と紺の異母弟・青が堀田家へやって来た日の話〈東京バンドワゴン〉の主人・勘一が幼馴染みの見舞いに行く話紺と亜美の出逢い…「東京バンドワゴンシリーズ」を飾る面々のエピソード集
├ 水原秀策

【読書】水原秀策『サウスポー・キラー』

球界きっての人気球団・オリオールズの2年目左腕・沢村航が、八百長の疑惑をかけられた。沢村は自宅謹慎後、2軍に降格となるが、証拠のない疑惑であったことや、投手の駒不足から、再度1軍へ呼ばれる。しかし、1ヶ月のブランクを経ての1軍での先発試合を前に、球団に再度沢村の八百長を告発するメールが届けられる。
├ 濱嘉之

【読書】濱嘉之『警視庁情報官 ゴーストマネー』

日銀によって廃棄されるはずだった1500億円分の古紙幣が、溶解処理されずに姿を消した。さらに、複数のコンビニATMから、約18億円が不正に引き出された。3年にわたる海外研修から帰国した黒田は、新生情報室を任され、さっそくこの2つの事件を担当する。
├ 島本理生

【読書】島本理生『Red』

夫と2歳の娘、義母と家を空けていることが多い義父と暮らしている村主塔子は、友人の結婚式で、20歳の頃不倫をしていた会社役員・鞍田秋彦と再会する。その鞍田から、現在面倒を見ている会社で契約社員として働かないかと誘いを受ける。仕事を始めることに賛成してくれた夫だったが、仕事と育児の合間で、1つまた1つと夫への不満がつのりだす。
├ 貴志祐介

【読書】貴志祐介『青の炎』

湘南の高校に通う櫛森秀一は、母と妹との3人暮らし。しかし、母が10年前に再婚し、すぐに別れた元継父・曾根隆司が家に転がり込み、酒と博打に溺れる生活を送っていた。このままでは、母や妹の身に危険が迫る。秀一は、曾根を殺害するための完全犯罪を計画する。