【読書】赤川次郎『知り過ぎた木々』
私立の女学校〈堂上学園〉では、夏期林間学校のメインイベントのマラソン大会で優勝した生徒が、学級委員を務めるという慣わしがあった。そのマラソン大会で、長谷井美知とのデッドヒートに競り勝ったのが折原待子だった。しかし、待子は担任の佐倉純子に「私――恥ずかしい。死ぬしかないんです」と電話したあと、川に身を投げたところを発見された。幸い意識を取り戻した待子だったが、記憶を失っていた。そして、翌年の夏期林間学校に、待子も参加することになるが、待子の遠い親戚にあたる永井夕子が、同伴することになった。