世田谷の駐在所に勤める駐在さんは、組織犯罪対策課第四係長だった!
濱嘉之さんの『世田谷駐在刑事』を読みました。
あらすじ
山手西警察署管轄内にある駐在所に勤める駐在さん・小林健は、同署組織犯罪対策課第四係長という顔を持っており、暴力団員からも「鬼コバさん」と恐れられる存在だった。
小林はかつて、手塩にかけて面倒を見ていた加藤という刑事を目の前で銃撃され、殉職させてしまった過去を持っていた。
感想
いわゆる「駐在さん」の話ではなく、駐在所で働いている刑事というところが濱嘉之さんらしいところでもあり、スパイスになっています。
駐在さんとして地域の人と交わりながら、刑事の目、カンで事件の臭いを嗅ぎ取っていく。
こんな警察官がいればさぞかし頼もしいだろうなぁと思いますが、広い日本、実際にいてもおかしくないのかな??
次から次へと事件に関わっていきますが、意外だったのは、未解決のまま時間が過ぎてしまう事件が含まれていたこと。
事件をいかに痛快に解決していくのかではなく、どういった事件があるのか、それにどのように捜査にあたるのかというところを書きたかったのかな?と感じました。
最後には未解決になっていた事件のうちの1つが解決されるのですが、それも小林ならではの急展開。
同じものを見ていても、きっと小林にはより深く、より広く物事が見えているんでしょうね。
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